2025.03.17(月)雪のちくもり

ついにこの日がやってきました。
早朝の気温は3℃。春とは思えないほどに、時折激しく雪が舞う朝となりました。
令和6年度西予市立野村中学校第54回卒業証書授与式です。

9時開式。
生徒会長を先頭に卒業生入場です。




それぞれに大変立派で、この3年生たちが確かに野村中学校の一時代を創り上げたことがうなづけます。




多くの人たちに見守られながら、校長先生から卒業証書が手渡されました。
「はい!」の返事に3年間の思いを込めて、堂々と壇上へ上がっていきました。

そして、校長先生より式辞が述べられました。
式 辞
先週は、春の訪れがそこまで来ていると思っていたところ、本日は寒の戻りを感じさせる肌寒い朝を迎えました。
58名の卒業生の皆さん、「卒業おめでとうございます。」
今、皆さん一人一人に、卒業証書を手渡しました。皆さんは、「第54期」の卒業生になります。「自主・正義・友愛」の校訓のもと、野村中学校の伝統を継承する中で、君たちの個性と集団が持つ力を生かして新たな伝統を築き、大いなる飛躍の一歩を刻んでくれました。
先程渡した卒業証書は、皆さん一人一人が自分と向き合いながら三年間頑張った証です。野村中学校で、仲間と共に過ごした三年間、「楽しかったこと」・「辛かったこと」・「悔しかったこと」、一言では言い表せない、様々な思い出が蘇ってくると思います。
本年度の生徒会スローガンは、読み方が同じである3つの「じしん」を掲げました。自らの心と書く『自心』自らを信じると書く『自信』、そして自らを新しくと書く『自新』」。
このスローガンは、自分の心を信じて、新しい自分に出会うために、何事にも自信を持って積極的に行動できる野村中学校にしたい、という思いを込めて決まった生徒会スローガンです。
この言葉のとおり、皆さんは時間を重ねていく中で、リーダーシップを発揮し、「野村中の顔」としてたくましく成長しました。まさに今の皆さんの凛としたその表情と姿勢がそのことを証明しています。野村中学校が各分野で活躍することができたのは、皆さんの存在がとても大きかったです。感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。やり遂げたという「自信」と「誇り」を持って、力強く新しい生活への第一歩を踏み出してください。
その新しい一歩を4月から踏み出す皆さんに応援の言葉を贈ります。日ごろから皆さんが学校や地域、家族、その他様々な場所や場面を通して学習している理由は、将来社会人として生活していく力を身に付けるためだと考えています。それを私たちは自らの足で立つという意味で「自立」と呼んでいます。
辞書で調べると、自立するとは「自分以外の者の助けなしで、自分の力で物事をやっていくこと。」とありました。しかし、考えてみてください。この辞書のとおりだとすれば、人は自立するために、辛いときに誰にも甘えず、不満をぶつけず、悩みを言わず、助けも借りず自分の力だけで解決するということになります。もちろん、時には我慢し、歯を食いしばって状況を打開してみようとすることが必要な時はあるでしょう。全てをそのような方法で解決しようとすれば、心も身体も持ちません。自分から相談したり甘えたりして助けてもらったこと、誰から「大丈夫?」と言って相談に乗ってくれたことで気持ちが楽になった、状況が良くなったという経験が私はたくさんあります。皆さんにもそういうことがあるのではないでしょうか。
7年前、荒ぶる自然の猛威に野村町は多くのものを失いました。そこから立ち上がるために一度折れた、折れそうになった心を奮い立たせたのは、野村をこれあで終わらせないという地元の方々の思いと、復興に向けて多くの方々のご支援があって今の野村があり、皆さんがいます。
人を頼ること、力を借りることが自立を阻むのではなく、自立するために、時には人を頼り、力を借りることも必要だと思うのです。振り返れば、家族やこれまで出会った地域の皆さん、先生、お世話になった方々に見守られ、支えられて今の自分があると思うのです。
大事なのは「経験を積むことで、できること、やれることを増やし、自分でできることは自分で行い、助けてもらった分は、いつか誰かに返していく」。そう思いながら、日々の積み重ねを大切にしていくことが、大人として、社会人として自立していくことであると考えます。
皆さんはまだまだこれから成長していく人たちです。必要な時は周囲の力を借りながら、これから目指す未来や目標に向かって、自立できる力を蓄えていってください。
保護者の皆様に、お喜び申し上げます。お子様のご卒業、誠におめでとうございます。卒業証書を受け取る我が子の成長した姿に、大きな喜びを感じていらっしゃることと思います。厳しい社会情勢の中、お子様がこれから自立した大人へと成長するためには、この先多くの乗り越えていく試練が、目の前に立ちはだかることがあろうかと思います。道に迷った時、立ち止まって進む道を見失っている時は、道しるべとなって見守り、励まし、支えてあげてください。
この3年間、本子の教育活動にご理解、ご協力を賜りましたこと、心より厚くお礼申し上げます。ありがとうございました。
(一部略)
今後とも本校教育にご支援を賜りますようお願い申し上げますとともに、皆様のご健勝をご祈念申し上げます。
最後に卒業生の皆さん、皆さんの笑顔が毎日見られなくなるのは、とても寂しいです。いつもあいさつを返してくれてありがとうございました。皆さんがこの野村中に残してくれた大きな財産は、後ろにいる在校生と私たち教職員が保護者の皆様、地域の皆様のお力添えをいただきながら、しっかり受け継ぎ、進化させていきます。
卒業生58名の新たな門出を心から祝福し、これから始まる新天地での生活において、自分の目標が見つかるよう、また目標が実現できることを願って、式辞といたします。
令和7年3月17日 西予市立野村中学校校長 浅川 和典





在校生代表による「送辞」、そして卒業生「答辞」へとついに結びのリレーがなされました。思いが深まり、過行く時間に名残りを惜しみ、とうとうと涙があふれます。

最後は、卒業生の合唱、RADWIMPSさんの『正解』を皆で歌いました。
どんな友がいてどんな人を好きになったのか。
どんなことに感動して心を震わせたのか。
傷ついてどうしようもなくなった時にどうしていたのか。
やるべきことから逃げずに、どう立ち向かっていたのか。


…君たちと別れるのは本当に寂しい。けれど、この新たな誓いともいえる歌を聞かせてもらって、これからのさらなる君たちの飛躍への鼓動を感じました。
新たな始まり!そのためのしばしのお別れ。
今日は本当にご卒業、おめでとうざいました。